トマス・ピンチョンの初期作品集。個々の作品よりも、序文の方が目を引くというある意味珍しい本でもある。というのも、文庫本にして30ページに及ぶ序文において、著者ピンチョン自らがそれぞれの作品の狙いや執筆当時の思い出を語っているからだ。ここがダメだった、あれが良くなかったと駄目だしのオンパレード。これから小説を書く若い人は同じ過ちをしないように、とアドバイスをしていたりもする。この序文がたいそう面白いわけだけど、本書の冒頭に配されているからといっていきなり読むのは良くないだろう。なんせ、各短篇について狙い等をバラしてしまっているわけだから。初めて読む時は短編五篇→序文と行くのがベター。わかりにくい話もあるものの、作者による詳細な序文と訳者による非常に丁寧な解説があるので、それらを利用しながら、二、三度かけてじっくり読むのが本書の正しい読み方なのかも。一読して、すべて理解できるのが理想ではあるのでしょうが・・・
私的ベストは「秘密のインテグレーション」。ついで「低地」でしょうか。両方とも幻想的な色合いが強いのが好きな要因かな?
- 2009/01/13(火) 19:54:09|
- ピンチョン(トマス)
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