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辻真先『アリスの国の殺人』双葉文庫

アリスの国の殺人 日本推理作家協会賞受賞作全集 (42)アリスの国の殺人 日本推理作家協会賞受賞作全集 (42)
(1997/11)
辻 真先

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 本書の主人公・綿畑克二は「アリスはぼくの恋人」と言ってのける、筋金入りの児童文学好き。老舗出版社・幻想館に入社したのも、児童文学に強いからだ。そんな彼が新創刊するマンガ雑誌の編集部に配置転換され、鬼編集長に叱咤される毎日を送っているのだから、やさぐれないわけがない。心労も相当なもので、アリスと結婚する夢を見る始末。しかし、夢でも彼に安息の日々は訪れない。チェシャ猫殺しの容疑者に挙げられてしまうのだ。折しも、現実世界の方でも、鬼編集長が殺されるという事件が起きて・・・

 再読。『不思議の国のアリス』の世界を舞台とし、ニャロメ、ヒゲオヤジ、鉄人28号、ドロシーといった他の漫画やアニメ、映画の人物まで登場する夢のパート、鬼編集長殺しの謎を追う現実世界のパートの二つが交互に進行していく。ここらへんは辻作品ではすっかりおなじみか。恒例のメタを生かしたどんでん返しはないものの、二つのパートの対比が絶妙なラストは印象的。

  <<我輩が指摘したいのは、どうすれば密室犯罪が可能なのか、ではない。なぜ密室がつくられたか……そもそもあの密室はなんであるか、という点だ>>

 これは夢の世界で起きた密室殺人(殺猫?)に関して考える際にヒゲオヤジが発したセリフ。作者の密室に対するスタンスは『仮題・中学殺人事件』のころから一貫しているのがよくわかるセリフである。このセリフを出発点に展開していく論理はの綺麗さとそこから導かれる結論のとんでもっぷりのギャップが面白い。負けじと現実世界の方も、いい意味でくだらないトリックが読者を待ち構えている。もっとも、現実世界の場合、トリック自体よりも、某人物の想いが明かされるシーンや、克二が知ることになる悲しい事実の方が重要なのだろう。
 三ページに渡って地の分&セリフでしりとりを展開するといった具合に、本家『不思議の国のアリス』さながらの言葉遊びが行われるのもこの作品の魅力。逆に言うと、そこが好きになるか嫌いになるかの分かれ目でもあるのだけど、推理作家協会賞受賞作であるばかりか、おなじみスナック蟻巣の初登場作でもあるので、未読のファンがいれば一度読んでもらいたい。
  1. 2009/01/05(月) 01:29:59|
  2. 辻真先
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  4. | コメント:0
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アリスの国の殺人 日本推理作家協会賞受賞作全集 (42)

アリスの国の殺人 日本推理作家協会賞受賞作全集 (42)
  1. 2009/06/25(木) 23:59:13 |
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